大爆笑!メラーノの年越しパーティー


私たちが泊まっていたホテルはインペリアル・アートですが、そこにはレストランがないので、年越しパーティーは提携のホテル・エウロパ・スプレンディドで行われました。
そこは偶然、数年前に日帰りでメラーノのテルメに来たときにランチを食べたレストランで、そのときはミラノ風カツレツなどがとても美味しかったので、今回の年越しパーティーも楽しみにしていました。



 さて、大みそかの夜7時ごろ、ホテル・エウロパに行くと、地元の人たちと思われる人たちが大勢!私たちはかろうじてジャケットを羽織ってはいたものの、寒さ対策優先でかなりカジュアルで、すごくドレスアップしたカップルもいて、私たちが浮いてしまうのではないかとちょっと心配。
ディナーのテーブルに案内されると、ナプキンが可愛らしいドレスみたいな形に折ってあったりして、華やかな気分が盛り上がります。
外国人は私たちだけだったのか、ホテルの支配人の男性がわざわざ私たちのところに英語で挨拶に来てくれて、「私は英語が上手じゃないから、この後の進行では英語を話さなくてごめんなさい」と言ってくれました。でも、お料理を持ってきてくれる人が、必要に応じて英語を少し話してくれたので、困ったことはありませんでした。

食事が始まる前に、支配人がイタリア語とドイツ語で、「このホテルも皆さんのおかげで何周年を迎えまして」みたいなことを挨拶して、みんなで乾杯。



 食事はイタリアンかと思っていたら、フレンチ風のコースでした。これが…妙にしょっぱくて、美味しくない(涙)。フレンチにありがちな泡みたいのが横に乗ってたりして、盛り付けは凝っているんですけどねえ。
でも!料理はともかく、

ものすごく楽しいディナーだったのです!


まず、先ほど見かけたドレスアップした二人は、ホテルが依頼したミュージシャンでした。
彼らが生演奏で歌を歌ってくれます。ここは、なぜか英語の歌が多くて、私たちにも気づかってくれたのか、あるいは、イタリア語圏とドイツ語圏両方のお客さんが多いので、どちらでもない英語の歌にしたのか。私たちとしては、イタリア語やドイツ語の歌を聞いてみたかったけどね~。



 その後、福引きが始まりました。これがお楽しみだったのです。といっても、当たるかどうかじゃなくて、どう配るのかが気になっていたのです。部屋の真ん中にテーブルが置いてあり、帽子とか、よくわからない籠盛みたいなのとか、10号ぐらいの大きさの油絵や、

はては液晶テレビまで

あったんですよ。

数字が書いてある色紙が配られたけれど、日本に持ち帰れないようなものをもらっても困るし、自分の番号を言われても多分わからないので、私たちは参加しないと言ったら、ホテルのスタッフもあっさりわかってくれました。

最初は小物からのくじ引きです。ジャム1瓶から始まりました。そんな賞品でも、「さて、何番が当たりでしょうか?!」と支配人は煽りながら、カゴの中の紙を選んで、数字を発表します。
そのときにミュージシャンの男性が、ダララララララ~っていう、くじ引きの時の音を演奏して盛り上げました。ジャム1瓶みたいのがいくつも続いて、それがいちいち、ダララララララ~なので、だんだん笑いのツボに入って来てしまいました。
他のお客さんたちも、途中から明らかに飽きてきています。

ダララララララ~♪ はい、黄色の15番!

そう威勢よく言われても、この地方の木彫りの置物だったりして、地元の人がこんなものもらってどうするんだろ?

ダララララララ~♪ 今度は赤の8番です!

今度の賞品は、ビニール製の通勤かばんみたいなやつ。
もらったお客さんのほうが気を使って、うぉぉぉぉ!と賞品を頭上に持ち上げて喜んで見せてくれてるけど、絶対に本心ではどうでもいいと思っているよね。

かさばる油絵と液晶テレビは、目録でも渡すのかと思ったけれど、あらあら、食事中のテーブルに実物を持ってっちゃったよ。すごく邪魔な賞品をもらってお客さんは明らかに困惑している。
それを見てると、おかしくておかしくて、

このぐだぐだぶりを見て楽しむためにここに来たのだ

と思えば、100ユーロも惜しくはないっ!


でも、このホテル、メラーノでは老舗のホテルなんですよ。支配人ご夫妻も、見た目はかなりイケてて、かっこいいのです。スタッフもみんな、ルックスも良し、感じも良し。
私たちはここに泊まっていないけれど、きっとホテルとしては、きちんと機能していそうな雰囲気。それなのに、それなのに、福引きがこんなにぐだぐだなのが、余計におかしくて…。

いちばん良い賞品は、このホテルの無料宿泊券のようでした。封筒に入った宿泊券を支配人が掲げています。

ダララララララ~♪ 青の19番です!

でも、お客さんはみんなもう飽きちゃって、聞いてなくて、誰も名乗り出ません。
スタッフの一人が、支配人のお母様と話し込んでいた老紳士に「何々さん、青の19番じゃない?」と確認します。そうしたら、「ああ、俺だよ!」とそのおじいさん。
それで解決!のはずが、後で見たら、支配人とそのおじいさんが真剣な顔で話し合っていたので、どうも番号が違ったみたい。でも、本当の当選者が名乗り出ないんだから、もう、そのおじいさんでいいじゃん。