日本では温泉は温まりに行くところですが、イタリアでは温かさよりも温泉の効能そのものが重視されているようです。そして、日本みたいなお風呂ではなくて、ほとんどが水着で温泉のプールに入るシステムを取っています。
温泉公園というような形式で、野外に温泉プールが点在していて、リーズナブルに気軽に行ける施設もあるのですが、何しろ屋外ですから、
冬期はお休み!
温泉も普通の屋外のアクティビティと同じく、春から夏のリクリエーションとして扱われているみたいです。
その傾向は特に南イタリアで顕著で、シチリア島やナポリ近くのイスキア島の温泉公園は、冬はやっていません。もちろん、日本の温泉旅館のように、温泉プールを併設したホテルもあるのですが、冬はオフシーズンなので、ホテルもメンテナンスとかしていそうです。
とはいえ、日本と同じく、冬に温泉に入りたいという需要はあるようで(といっても、寒いから温まりたいというより、クリスマス休暇の静養先として温泉に行きたいという要望みたいだけど)、冬もオープンしている温泉施設は大盛況です。
一年中温泉が開いているドイツの影響を受けて、北イタリアには、冬もオープンしている温泉施設、冬も稼働している温泉ホテルがあります。
中でもトレンティーノ・アルトアディジェ州のメラーノ(Merano)は有名です。
街の中心部にテルメ(Terme)があり、温泉プールやサウナ、マッサージやエステが受けられるスパがあります。
メラーノの場合、街の中のホテルは、ホテルには温泉はなくて、テルメに通うのが基本になっていますが、街から離れた立地のホテルには、ホテル単独での温泉プールがあるところもあります。そのようなホテルでは、1泊2食付き(英語だとhalf board)、1泊3食付き(英語だとfull board)のプランもあるので、ホテルの中で温泉三昧でまったりしたい方はそれもいいかも。ただし、ドイツ語文化圏なので、ドイツっぽい料理が中心で、3食付きは日本人だと途中で飽きてしまうかも。
さて、イタリアの温泉の特徴の一つに、
温度が低い
ことが挙げられます。
温泉プールは35℃ぐらいが普通で、メラーノのテルメの場合、いちばん高くても37℃。調べたところ温泉公園でも同じようなものなので、屋外だったら、そりゃあ、冬は休むよね。
テルメの場合、屋内はきちんと空調されているので寒くはないですが、やはり日本の温泉と違って、
あったまるぅ~ という感じはない!
です。
メラーノのテルメには、冬期でも屋外に続いているプールもあるのですが、外気温1℃とか、―2℃とかいう表示を見ながら入るぬる~いお湯もまた格別…ではなくて、やっぱり話の種には外に出てみたものの、短時間で屋内に戻りますね。
他に注意することは、メラーノの場合ドイツ語文化圏なので、サウナは完全にドイツ仕様で、
全裸で混浴
が基本です。
サウナルームは薄暗くてほとんど見えないし、スタッフが頻繁に巡回しているし、年配のご夫婦のお客さんばかりなので、危険なことはないのですが、慣れるまでは気恥ずかしいかもしれません。
サウナルームでは全裸だけど、通路はバスローブを羽織って歩くので、全裸タイムは意外と少ないんですけどね。
メラーノのテルメはほぼ年中無休ですが、スパは、ヨーロッパらしく、日曜休みです。スパは平日に予約してから行ったほうがいいそうです。
テルメは銭湯と違って、身体を洗う場所はないですが、プールへの入り口にざっと流すシャワーはあります。出た後に使えるドライヤーや鏡などは設置されているので、濡れた髪のまま寒いとか、メイクができないとかいった不便はありません。
メラーノのテルメのURLはこちら↓
http://www.termemerano.it/index.php?lang=3