
ヴェローナ駅はイタリアの地方の駅にしては、とっても混んでいました。イタリアでもクリスマスから元日にかけてはクリスマス休暇だからかな?
いやいやよく見ると…なんか変じゃない?
券売機の前にも、駅員さんのいる窓口の前にも長蛇の列。なんだかわからないけど、何かがあった様子。
フレッチャロッサなどの特急はネット予約すると、プリントアウトした用紙がそのままチケットとして使えることが多いのですが、私たちが今回乗る列車はドイツのミュンヘン行きなのでイタリア国鉄の管轄ではないらしく、予約番号を券売機に入れて、もしくは窓口で言って、正式なチケットを発券してもらう必要があります。
(これは不便なので、いずれ改善されるかもしれません)
イタリア国鉄の駅では、各駅停車用の券売機と特急用の券売機が分かれていて、幸い、特急用の券売機にはトラブルがなく、ヴェローナからボルツァーノまでの私たちのチケットは無事発券。
固い紙の切符は、日時指定のものでも自分で刻印機に通さないといけないので、刻印機でガチャコン!
このとき、まだ私たちは、
この各駅停車用の券売機のトラブルは、ヴェローナ駅だけのものだ
と思っていたので、ボルツァーノからメラーノに行く各駅停車のチケットは、ボルツァーノ駅で買えばいいか、ということになりました。
列車はほぼ定刻通りに来て、無事発車!
ヴェローナからボルツァーノに行くときの車窓の風景は、とても変化に富んでいて面白いですよ。
最初はブドウ畑が広がる平野が続いているのですが、ヴェローナのあるヴェネト州を出て、トレンティーノ・アルトアディジェ州に入るあたりから(←車窓から州境がはっきりわかるわけでもないので、適当に言ってる)、突然左右に岩山が迫ってきます。線路が通っている岩山の間の平地は、ブドウ畑からリンゴ畑に変わっていきます。
これらの岩山は、列車が世界遺産にもなっているドロミテ山塊に差し掛かったことを示すもので、日本では見られない迫力ある風景にワクワクします。
ドロミテ山塊は、イタリアとオーストリア国境に位置する、不思議な形の岩山が集まる地域で、サンゴ礁が隆起してできた山々だそうです。
トレンティーノ・アルトアディジェ州の州都トレントを通過し、さらに北に向かうと、ますます岩山は鋭く切り立ってきます。
こんな切り立った岩山のふもとに家や畑があるなんてすごい!
そうこうするうちに、列車はほぼ定刻通りにボルツァーノに到着。ボルツァーノは、ドロミテ観光の入り口ともなっている街で、駅のホームからもギザギザした山が見えます。
では、ここでメラーノ行き各駅停車に乗り換えです。
・・・あれっ???またしても、駅はすごい人混み!
もしかして、さっきのトラブルはヴェローナ駅だけじゃなくて、イタリア国鉄のシステムのトラブルだったのか?
でも、券売機にも窓口にも人がおおぜい並んでいるので、私たちは各駅停車用の券売機に並んでみます。
がっ!やっと順番が来た券売機、故障してました!
日本だったらふつう、券売機が故障してたら、貼り紙とかするよねええええ!
私たちが気付いてないだけで、イタリア語とかドイツ語で放送があったとすれば、こんなにおおぜい券売機に並んでるはずがないので、放送もしてくれてない様子。
つまり、ここにいる人たちはみんな、
券売機に並んでみる→故障してるじゃん!→窓口に並ぶか
という流れに乗っているわけです。
ちょうどイタリア語とドイツ語が入り混じるエリアだからか、お客さんどうしで、「これ、故障してますよ」とかいうのもあきらめてるらしく、みんな、ただただ並んでいました。
さてここからは、私たちのかつての経験がモノを言います。
数年前、さっき通ったトレントから日帰りでメラーノに行ったときに、帰りの列車が消えてしまい(それはそれですごい話だが)、バスでボルツァーノに戻ってきたということがあったのです。
ということは、ボルツァーノからメラーノに行くバスがあるのです!
駅の窓口の長蛇の列を尻目に、私たちは、駅から200メートルほどのところにあるバスターミナルに向かいました。
ただ、バスも1時間に1本ぐらいしかないので、運が悪いと1時間近く待つことになるのですが、幸い、15分後ぐらいに出るメラーノ行きのバスがあって、無事メラーノへ出発!
バスは次の停留所名がイタリア語とドイツ語で電光掲示板に表示されるタイプでした。つまり、地名(固有名詞)なのに、イタリア語とドイツ語で違うんです。NIPPONとJAPANみたいなもんかな?
途中笑ったのは、「学校」という同じ名前の停留所が、ボルツァーノ寄りと、メラーノ寄りに2か所あったこと。ドイツ語文化圏といえども、そのアバウトさが、イタリア~ンな感じ。
バスに乗ってよかったことは、メラーノの駅よりもホテルに近い、テルメ前にバス停があることでした。
テルメ前のバス停でバスを降り、数分歩いたら、ようやくメラーノのホテルに着きました。